<ナレッジ>Vol.16 役員給与税制改正に伴う業績連動給与の見直し

2019/08/14

1. はじめに

2017年度に続き2019年度税制改正において、役員給与税制が改正されました。今回の改正はコーポレートガバナンス・コードの改訂を契機に業績連動給与にかかる損金算入手続が見直されました。業績連動給与の損金算入手続に焦点を当てて説明をしていきます。

2. 概要

2019年度税制改正において、コーポレートガバナンス・コードの改訂を契機に業績連動給与に係る損金算入手続が見直されました。これは、業績連動給与の制度普及等を促すためであり、適正手続要件を一部見直すかたちとなりました。まず改定契機となったコーポレートガバナンス・コードの内容を把握し、その後に2019年度税制改正を追ってみていきます。

3. コーポレートガバナンス・コードの改訂内容

コーポレートガバナンス・コードの改訂内容のうち、役員報酬に関する記述は下記の通りです。

① 経営者の報酬決定(補充原則4-2①)
改訂前より経営陣の報酬は持続的な成長に向けた健全なインセンティブとして機能するよう、中長期的な業績と連動する報酬の割合や、現金報酬と自社株報酬との割合を適切に設定するべきとされておりました。今回の改訂で取締役が果たすべき役割が追記され、取締役は客観性・透明性ある手続に従い、報酬制度を設計し、具体的な報酬額を決定すべきであるとされています。

② 独立した諮問委員会の活用(補充原則4-10①)
改訂前より取締役の指名・報酬決定のプロセスの客観性・透明性を確保するために、指名・報酬などの特に重要な事項に関する検討にあたり、独立社外取締役(例:独立社外取締役を主要な構成員とする任意の諮問委員会を設置)の適切な関与・助言を得るべきとされておりました。改訂において、指名委員会・報酬委員会の設置・活用をさらに勧めていく観点で、監査役会設置会社または監査等委員会設置会社であって、独立社外取締役が取締役会の過半数に達していない場合には、指名・報酬に関する任意の諮問委員会の設置を求めることとされています。

4. 2019年度税制改正

先に述べましたコーポレートガバナンス・コードが改訂されたことを機に、役員給与税制が改正されました。改正される前は以下の決定等の手続を経ることが損金算入の要件とされておりました。

① 報酬委員会の決定
(指名委員会等設置会社での報酬委員会で業務執行役員等が委員である場合は不可)
② 指名委員会等設置会社以外の法人の株主総会の決議による決定
③ 指名委員会等設置会社以外の法人の報酬諮問委員会(業務執行役員がその委員である場合は不可)に対する諮問その他の手続を経た取締役会の決議による決定
④ 監査役会設置会社の取締役会の決議による決定(監査役の過半数が当該算定方法につき適正であると認められる旨を記載した書面を当該内国法人に対し提出している場合における当該決定に限る)
⑤ 監査等委員会設置会社の取締役会の決議による決定(監査等委員会である取締役の過半数が当該決議に賛成している場合における当該正決定に限る)

今回の改正により、①③については報酬委員会等を設置する法人の業務執行役員が報酬委員会等の委員でないことの要件が除外され、業務執行役員が自己の業績連動給与の決定等にかかる決議に参加していないこと、および報酬委員会等の委員の過半数が独立社外役員であることおよび委員である独立社外役員の全てが業績連動給与の決定に賛成していることという要件が追加されます。④⑤の手続は要件から除外されます。

この改正は、2019年4月1日以後に支給にかかる決議をする給与について適用され、同日から2020年3月31日までの間に支給にかかる決議をする給与については、現行手続による業績連動給与の損金算入を認める経過措置が講じられます。

5. 最後に

簡単ではありますが、以上が改正の概要となります。今回の改正により、業績連動給与導入や見直しをされる際、ご不明点等御座いましたら、当グループまで是非お問い合わせください。

以上

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【お問い合わせ先】令和アカウンティング・ホールディングス株式会社
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