<ナレッジ>Vol.14 減損会計及びSPCに与える影響

2019/05/01

1. 減損会計の概要について

減損会計は、資産の収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合、回収可能性を反映させるように帳簿価額を減額することを意図する会計処理となります。

減損対象となる資産は固定資産となるため、建物だけでなく、土地や借地権も対象に含まれます。(ただし、匿名組合出資等の金融資産については、別途「金融商品に係る会計基準」が適用されます)

2. 減損会計の手順

以下の手順により、減損会計を行います。

(1) 資産のグルーピング

減損損失の測定を行う単位としての資産グループの決定を行います。グルーピングは概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位で行います。【減損会計基準二6.(1)】

(2) 減損の兆候の有無の検討

減損が生じている可能性を示す事情があるかの適用を検討します。減損会計基準では4つの項目が例示されています。【減損会計基準二1】

(3) 減損損失の認識の判定

割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回るかどうかを判定します。なお、見積期間は主要な資産の経済的残存使用年数と20年のいずれか短い方とされます。【減損会計基準二2】

(4) 減損損失の測定

上記(3)により、減損損失を認識すべきであると判定された資産及び資産グループについては、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額は減損損失として当期の損失となります。【減損会計基準二3】

3. 実務上の適用局面において

(1)含み損物件について、売却意思決定があった場合

当初の予定より早期に売却するときは、減損の兆候が有るといえます。該当年度に売却の意思決定がされ、次期に実際の売却が行われる場合でも、修正後発事象として該当年度に減損処理が求められる可能性があります。

(2)建物の取壊しの意思決定があった場合

建物の取壊しがある場合、事業の再編成として減損の兆候が有るといえます。該当年度に取壊しの意思決定がされ、次期に実際の売却が行われる場合でも、修正後発事象として該当年度に減損処理が求められる可能性があります。

(3)その他の場合

減損適用指針13項にて、減損の兆候となる、回収可能価額を著しく低下させる場合としての例示があります。
以下、いくつか抜粋となります。

  • 遊休状態になり、将来の用途が定まっていない場合
  • 稼働率が著しく低下した状態が続いており、回復する見込みがない場合
  • 建設について計画の中止又は大幅な延期が決定されたことや当初の計画に比べ著しく滞っている場合

4. SPCに与える影響において

法人税法上においては、原則減損損失の損金算入は認められないため、減損損失を計上した場合は通常税会不一致となり、税流出が発生します。

現状、REITにおいては一時差異等調整引当額の計上により利益超過分配を実施することにより税流出を軽減する効果があります。
また、TK-GKスキームのSPCにおいても匿名組合契約にて、税務上の所得を分配金額とすることで税流出を軽減させることが可能です。
一方、TMKにおいてはREITのような税会不一致を解消する手立てはないのが現状となっております。

以上が簡単な概要となります。実務上の不明事項や疑問等ございましたら、当グループまで是非お問い合わせください。

以上

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